スティーヴ・ヴァイの魔法リフ

こんにちは、ぢゃっくです。

リズムは、ほんのちょっとした工夫で、全く異なる印象を与えることができます。

今日は、聴いている人を一瞬「え?あれ?」と惑わせるようなリズム・トリックについて、ご紹介します。

David Lee Roth Band のセカンドアルバム「Skyscraper」の1曲目「Knuckle Bones」におけるスティーヴ・ヴァイのプレイから。

ご存じない方は、ぜひ一度、聴いてみていただきたいです。

再生して、カウントを取りながら聴いていくと・・・。

まず、0:09あたり(ドラムとベースが入るところ)で「おや?」となります。

さらに、0:14あたりからギターリフが安定すると、自分が明らかに曲とずれていることに気づきます。

「え?なんで?!」と思いました。何回やってみても、0:14からの小気味よいバンドのグルーヴに気持ちよく合わせられないのです。

途中に変拍子がある?いやそんなことは・・・カウントのテンポ自体は合ってるし・・・なのに、フワッとリフの雰囲気が変わって、グッとドライブする感じになるんだよなあ。

この曲をスンナリ聴けた方はスゴイと思います。

僕は、不思議で仕方ありませんでした。まさに魔法にかけられたような感じです。

それで長年ずっと悩んでいたのですが、最近ようやっと理解することができましたので、以下に解説しますね。

解説

聴こえるままに冒頭のギターリフを譜面にすると、こんな感じになります。

knucklebones_intro_bad

でも!

この感覚でリズムをとってしまうと、もうダメなんですね。

一番最初に聴こえてくる5弦1フレットのB♭・・・この音を小節の始まり、つまり、拍のオモテだと感じてしまったらアウトなんです。

実は、このB♭は前の小節の最後にある音なんです。

つまり、拍のアタマは、2個目の5弦3フレットのC音で感じなければいけないんです!

これを譜面にすると、以下のようになります。分かりやすいように、最初の小節は休符を入れています。

knucklebones_intro_good

いかがでしょうか。

このタイミングで取ると、0:09からのギターリフにもピッタリ合いますし、0:14からも気持ちよく入っていけるんですね。

同じ音が同じように並ぶリフなのに、始まりを半拍ずらすだけで、ガラッと雰囲気の違うリフになるのが、すごく面白いと思いました。

スティーヴのトリックは、ハイハット等のリズムの目安になるものが何もない所に、ゴーストノートも何も入れずにB♭から入ることで、あたかもそこが小節の始まりであるかのように感じさせたことにあったんですね。

タイミングの取り方のコツ

頭では分かっても、実際に音源を聴いて、この譜面の構成でカウントするのはやっぱり難しいです。

コツとしては、意図的にウラ拍でカウントするようにすると良いです。0:09あたりからそこがオモテに感じるようになって辻褄があいます(笑)。

このオモテにひっくり返るように錯覚する部分がグッと加速するようなドライブ感を生んでいるのではないかなと思っています。

同じく David Lee Roth Band のアルバム「Eat’em And Smile」に含まれる「Goin’ Crazy」でも同様のトリックを聴くことができます。

Van Halen の曲にもあったような気がします。またご紹介していきますね。

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独創的ベースプレイヤー「ビリーシーン」が大好きで、彼のプレイスタイルを研究して30年以上になります。2019年秋から原因不明の眩暈と手足の脱力に悩まされており、現在療養中ですが、少しずつでも更新していきたいと思います。

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コメント

  1. バッドビリー より:

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    こんばんは。

    以前聞いた話ですが、外人さんは「基本ウラでカウントしてるらしい」との事です。
    調査していないのでホントかどうかはわかりませんが。(笑)

    DLRB、最高のバンドだと思います!
    こんなバンドメンバー揃ったらプレーヤー冥利に尽きるでしょうね。

    それにしてもいつも楽譜なで掲載されるなんて楽譜のほうにも強いのですね!
    私は読めますが時間かかりますし、書く方は全くだめです。

  2. ぢゃっく より:

    SECRET: 0
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    バッドビリーさん

    こんばんは。いつもありがとうございます。

    > 以前聞いた話ですが、外人さんは「基本ウラでカウントしてるらしい」との事です。
    > 調査していないのでホントかどうかはわかりませんが。(笑)

    それあると思います。
    以前みたマイケルジャクソンの動画で、明らかにウラで踵を踏んでいるものがあったんです。
    実際、ウラでタイミングをとってみると、踊り出しそうになるほどノリノリに感じられるんですよね。
    そのあたり、またリズムトレーニングの記事で書いてみたいと思います。

    > DLRB、最高のバンドだと思います!
    > こんなバンドメンバー揃ったらプレーヤー冥利に尽きるでしょうね。

    本当にそう思います!
    MR.BIGも好きですが、この時のDLRBはまた格別の良さがありますよね。
    楽曲もバラエティに富んでいて、何度聴いても飽きません。

    > それにしてもいつも楽譜なで掲載されるなんて楽譜のほうにも強いのですね!
    > 私は読めますが時間かかりますし、書く方は全くだめです。

    僕は完全なTAB譜人間でして、5線譜は読めないです(笑)。
    掲載している譜面は、Power Tab Editorというフリーソフトで作っています。
    TAB番号で入力できるので、とても便利です。
    ちょっとでも参考になっていれば嬉しいです。

    またよろしくお願いします。

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