こんにちは、ぢゃっくです。
ビリーの音使い解析シリーズ、第5回です。
これまで、曲中のフィルインに関しては、
キーのペンタトニック・スケールの構成音だけを使ったフレーズであれば、曲中のどんな時に使っても大丈夫!
ということをお話してきました。
しかし、いつどこで弾いてもいいとは言っても、実際には背後で鳴っているコードによって、フレーズの雰囲気は変わります。
ジャズやフュージョンなどでは、「このコードが鳴っているときは、このスケールを使って弾くと、こんな雰囲気を出せる」という理論的なアプローチをするのだと思いますが、
ビリーは、そこを理論ではなく、
卓越した音楽センスと感性で直感的に適応している
のではないかと思っています。
ビリーがフュージョン寄りのプレイヤーとジャム・セッションする動画を観ていると、ソロ・パートなどで、時折、これはちょっと外れてるんでは・・・と感じる音を弾くときがあったりします。(^^;
でも、次の瞬間にはスライドやチョーキングなどを使ってリカバリーして、ちゃんと崩れることなく戻ってくるんですよね。とにかく音楽に適応する能力がスゴイんだなーと思います。
まあ、プロ・ミュージシャンの方というのは、皆そういうものなのかもしれませんが、こういう感覚を身に付けられたら、もう怖いものナシですよね(笑)。
また、タラス時代から、ビリーのベースラインは「メロディやギターと分離して聴こえる」とか「全く別の曲のラインに聴こえる」とか評されることがありました。これもコード進行にとらわれずに、キーで曲をとらえているからではないかと思います。
また、ビリーの教則ビデオ「Billy Sheehan Bass Secrets」の中では、MR.BIGファーストアルバムに収録されている「Blame It On My Youth」のリフを例にとって、
ギターとは反対の方向に動かすんだ。反射的にね。みんな最初は驚いたよ、「なんだそりゃ」って。
と言っています。7:15からです。ライブではそうやって弾くそうです。
Billy Sheehan – Bass Secrets – (2/5)
このビデオで続けて語られているのが、バッハからの影響です。ビリーは、J.S.バッハが大好きなので、自然と「対位法」的なアプローチが耳に染みついているようです。
ビリーが言うところの「プレイ中に頭で考えるのはよくないだろ」というのは、そのときの「直感的」なフィーリングを「反射的」に音の流れに変換して弾くということであり、それを実現するためパターン奏法のひとつとして
キーのペンタトニック・スケールの構成音だけを使ったフレーズであれば、曲中のどんな時に使っても大丈夫!
という技術があるというふうに考えています。
実は、このことについては、「Bass Secrets」の中で、ビリーも言及しています。
この記事を書くにあたって、何を語っていたか、もう一度ちゃんと見直さねば!と、意気込んでVHSビデオを再生したら、見事にテープが切れました・・・20年以上もほったらかしだったので、固まってリールが回らない状態だったようで・・・うう、もったいない。かなりショックです(涙)。
この教則ビデオの内容は、上記の通り、YouTubeでも見ることができるのですが、英語版だけで、日本語字幕がついているものは見つからないんですよね。記憶を頼りに、頑張ってリスニングしてみたのですが、ちょっと曖昧です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。少しでも共感していただけたら嬉しいです。ご意見・ご感想は、こちらからお気軽にどうぞ。
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