こんにちは、ぢゃっくです。
先日、MR.BIGのコンサートに行ってきました!前回は1993年でしたので、実に21年ぶりです!しかも、奇跡的に、手の届くような距離でビリーのプレイをじっくり堪能する幸運に恵まれました。
そのときに、興味深い発見がいくつかありましたので、記事に書いていこうと思います。今回は、フット・キーボードについてです。
▼けっこう使ってるんだなあ
ステージ向かって左側、ビリーの立ち位置のマイクスタンド下には、フット・キーボードが置かれています。通常の鍵盤と同じように、足で踏むことで、クロマチック音階を弾くことができるものです。
現在、ビリーが愛用しているのは、Keith McMillen Instrumentsの「12 Steps」という製品です。
キーボードといっても、ハードウェアとしては基本的には単なる12個のスイッチであり、単体では音は鳴りません。別途、MIDIのシンセサイザー音源に接続して、そこで構成した音をアンプに通して鳴らすという仕組みです。ビリーは、ローランドのSonicCellという音源モジュールを使用しています。
(引用元:The Winery Dogs walk us through their live gear)
僕が初めてフット・キーボードの存在を知ったのは、Bump Aheadツアーの「Promise Her The Moon」のライブ映像でした。イントロなどでバックに流れるファーという印象的な美しいシンセの音を、ビリーが足で弾いていたんです。「サポートメンバーなしで出来るんだ!器用だなあー」と思いました(笑)。
この当時は、「タウラス・ペダル」というエレクトーンの足鍵盤だけ取ってきたようなものを使っていました。2009年の再結成ツアーの武道館でも使っていますね。
Mr. Big – Promise Her The Moon
このイメージがあったので、そういう効果音的な「キーボード奏者」としての使い方をするものだと思っていました。でも・・・それだけではなかったんです!
結論から言うと、低音域を補うためのシンセベースとして使っているんです。
ビリーが言うところの「スーパー・ディープ・ローエンド」を得るための工夫だったんですね。少なくとも、今回のMR.BIGツアーでは、この目的がメインだったと思います。
それを裏付ける点として、MIDI音源モジュールからの出力は、ハートキーLH1000の大出力アンプヘッドを通して、ハートキーAK410のキャビネットを使って鳴らしています。
これはつまり、Attitude Limitedベースのフロント・ピックアップ、つまり青色の低音出力ラインと全く同じ方式なんです!
これも以前は「ふーん」と漠然と思っていたのですが、「シンセベースで重低音をさらに加える」という方針だと考えれば、自然に理解することができます。なんと無駄がなく、筋の通ったシステムなんだろう・・・と感嘆しました。
実際、ベース本体だけでは出せない低い音域が重なりますので、アンプの目の前で聴くと、その重厚さは目を見張るものがありました(@@;)。
▼どこで使ってるの?
ビリーが「60’s Mindなんかでよく使っているんだ」と言っているのは知っていたんですが、「あの曲で、そんなシンセみたいな音、使うとこあったっけ?」と思って、どういうことか分からずにいました。
関連記事⇒ビリーの2014年ステージ用の機材システムがバッチリ分かる動画!
実際に、ステージ間近でみて分かったのは、「けっこう頻繁に使っているんだなあー」ということです。
「60’s Mind」の場合は、Aメロのバック等でダブル・ストップの和音フレーズを弾く部分、ギターソロから5/4拍子になる間奏部分で、コードのルート音を足で同時に鳴らしていました。
実際にビリーが「60’s Mind」でフット・キーボードを弾いている動画が見つかりましたので、ご紹介しますね。今年のフィリピン公演です。
Mr. BIG in Manila 2014 ~Take Cover/Green Tinted Sixties Mind~
画質は良くないですが、6:40からの間奏、7:45あたりのダブル・ストップを弾く場面で、ビリーが右足を出してキーボードを踏んでいる様子が分かります。
うろ覚えですが、「60’s Mind」以外でも、例えば「Undertow」のイントロの16分音符が続くリフやサビの部分、あと「Take Cover」のエンディングの1コードが続く部分、などで踏んでいたように思います。また、曲の最後にジャーン!とキメるところでも、足の音をよく追加していました。
フロント・ピックアップからの低音出力ラインには、そもそも実音の1オクターブ下の音を鳴らせるEBSオクターバーも入っていますし、ビリーは、ステージでは、とにかく重低音が薄くならないように工夫しているのだなあと思いました。
今回のMR.BIGライブではありませんでしたが、もちろんシンセの音色も変えられますので、あたかもキーボード奏者がいるような空気感のフレーズを弾くこともあるのだと思います。The Winery Dogsのようなスリーピースの構成であれば、より出番が多そうですね。
▼軽量になった故の工夫
タウラス・ペダルは巨大だったために、世界各国を回るツアーでは搬送が大変だったようです。そこで、コンパクトなモノを探して、今の「12Steps」に行きついたようですね。
ただ、この「12Steps」は、あまりにも薄く軽いために、そのままではステージ上でずれて動いてしまう・・・ということで、ビリーは分厚い木の底板をくっつけているようです。これも百戦錬磨のビリーならではの工夫ですね。
(引用元:The Winery Dogs walk us through their live gear)
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コメント
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とても貴重ですね。バンドメンバーだけで演奏するというのは、まさにロック!
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いつもコメントありがとうございます!
MR.BIGは、特に自分たちだけでより良い音楽をするために何ができるか?というのを、常に考えて工夫しているように感じますね。